体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉
読み終えた!かなりおもしろかった!
5人の科学者・サイエンティストと、テクノロジーと身体について考える本!
1章はピアニストのための外骨格(エクソスケルトン)。
19世紀のピアノ教育はスパルタの軍隊式で、それこそ大リーガー養成ギプスみたいなのをしていた(!)って話ひえーとなった。
演奏を妨げない、音楽の邪魔にならない"透明な体"がよしとされてきたけど、人間の体って全員違うよね? という話をしていておもしろかった。
ピアニストのための外骨格は、プロのピアニストの動きをコピーして、プロのピアニストじゃない人に体験させられる機械で、
これを試すと指の動かし方がわかって、機械を外した後にもできるようになるっていうのへえ〜でした。
わたしたちは意識でイメージして、体を動かしているけど、成功したことがないことに関してはイメージがなくて、それを補うことができるらしい。
2章は、桑田真澄のピッチングフォームの解析。
やっぱりこの章でも、人間の身体って全員違うよね? という話をしている。おれもそう思う。
桑田の動きを解析していると、桑田自身がイメージしている身体の動きと、実際の身体の動きに乖離があった、という話、かなりおもしろい。
1章ではイメージが身体を動かす、イメージを補足する、という話をしていたけど、
この章では、キャッチャーミットにボールを収めるという結果のために身体を動かすけれども、その過程であるフォームが違っている、という話。
身体の土地勘があるので、体の動かし方にゆらぎがあっても同じゴールに辿り着けるのではないか? の話おもしろい。
あと熟練者になるほど自分の感覚を人に伝えられないのも感覚的に分かるけど改めて言われるとおもしろいな。
3章 リアルタイムコーチング。
スポーツなら、その動きが終わったあとで「今のはこうした方が良かったよ」とか言われても、その行動はもう終わってるから効果が低い、行動の最中にこうしたらいい、と伝えられるようなコーチングができればもっと良くなるのではないか? の話。
VR空間で卓球の球をスローモーションにしてリアルタイムコーチングを可能にしたり、ゴルフのスイング時、足元にバーチャルシャドウを表示してその時のフォームが理想とされるものかを確認できる、みたいなのね。おもしろいね。
4章 意識をオーバーライドする
BMI(ブレイン・マシン・インターフェイス)の話で、オッ!ここまでは外部システムの話でしたけど、"オーバーライド"とか穏やかじゃないぞ。と思って読んだけど、おもしろかったです。
リハビリなどにBMIを使う話が出て、脳には可塑性がある、という話良かった。一度誤った方法を学んでしまうと、それをまっさらに無くして学習し直すのは難しいという話。
わかるなあ 一回読み方間違えて覚えた漢字って大人になってもなかなか正しい読み方一発で出せないもん。
5章 セルフとアザーのグレイゾーン。
この章めちゃくちゃおもしろかった。SFだ〜!!(紅だ〜!!)
カメレオンマスクという、Aさんの顔にiPadをつけて、Bさんがそこに顔を写し対応するとみんなその人をBさんとして扱い、
Aさんは Bさんの指示通りに動き体を"乗っ取られる"にも関わらず、自分が判断する責任感から解放されピュアな幸福感ややり甲斐を得る、という話が出てきて、
こないだ読んだ笹原千波の「風になるにはまだ」じゃん!! になった。おもしれ〜! SFじゃん!
あと、「おっけーぐーぐる!」とかを声に出さずに、(エコーを下顎に取り付けて)口の動きだけで操作できて、
耳の中に入れたイヤフォンとかで回答させられたら便利じゃない? の話とか、マーダーボットダイアリーのフィードのことを思い出したよ。おもしれ〜! SFじゃん!!(2回目)
著者が最後に「テクノロジーと私たちの関係は現在明るいものではありません。インターネットは社会を分断し、民主主義をおびやかすツールにもなっています」
と語り、だからこそ、遠くに行ってしまったテクノロジーを手元に引き寄せよう、と続くので、
テクノロジーと身体の話をずっとしていて最後にその話が出るの信頼できるな……と思いました。
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