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Mr.ノーバディ2

 ノーバディ2が来たよ! 今作は、1のイリヤナイシュラー監督が離れて、ティモジャヤント監督になってます。 ティモジャヤント監督も……ね! 鋭いゴア描写に定評がある監督なので大期待ですね!  いや、こんなに監督交代して「なるほどなあ」になることあるんだな。と思いながら行きました。 結論:鋭いゴア描写、そしてワクワク! 大人のホームアローン。 敵がやや弱かったんじゃないですかね……と思わないでもないですが、90分サイズで満足感のあるアクション映画でしたね〜! 犬映画でもある。犬は無事です。 ファミリー映画であることは間違い無いんだけど、こう、父親映画でもありました。 アングラなお仕事をする父親が、自分の息子には自分のようにならず真っ当に育って欲しいと願っていて、 父親同士が語らってみたり、自分の父親と話してみたりするのは良いね。 ハッチマンセルは息子に「おれのようになるな」と言って、息子からもういいよ! って言われちゃうんだけど、 自分の父親と話して、「不安に思わなかった?」と聞いたら「おれよりまともになってる!」と返されるシーン、 こう、ちょっとずつ良くなっていこうな……という決意のシーンで良かったね。 あとこれはいまゴーストオブヨーテイをわたしがやってるせいかもしれないんですけど、めちゃくちゃヨーテイじゃなかったですか!? ウルフドックを放ったり、カンカンカン! って鉄パイプ? を鍛えたり、 あと弟のビリー?は三味線引いて、日本刀出してきて、切ったあとは、血振りの仕草がジンサンだったのでめっちゃ笑いました。 あの血の拭い方、服着てない人がやったら肘の内側が血でビッチャビチャになるよ!! この映画で1番やべーやつって、ハッチマンセルの妻なんじゃねえかなあ……とうっすら思ってたことを回収されるラスト、 「おまえは誰だ」と聞かれて、「彼の伴侶(ベターハーフ)」と答えるベッカ、 シェイプオブウォーターみたいなプールのなかのキスシーン、ハラショーでございました。

夜ごとの美女

 ルネ・クレール監督、ジェラールフィリップ主演。 ジェラールフィリップってお顔がすごくかわいいね! 現代でも人気が出そうな面差しだ。 と思ったら、割と若くして亡くなっていてびっくりした。 うだつの上がらない音楽教師のクロードはオペラを書くも箸にも棒にもかからず、街の人からバカにされており、道路工事と修理工の音に耐えかねて夢の世界に逃避する。そこでさまざまな女性と恋に落ち……(あらすじ) 筋書きから「ミッドナイト・イン・パリ」を連想するも、後半のノリは完全にコメディで良すぎる。 順調に思えた夢の世界にのめり込んでいき、現実を疎かにし、夢に救いを求めていくクロード。 ダチ3人は「あいつ死のうとしてる!」と勘違いして、睡眠薬を欲しがるのを阻止したりするんだけど、最終的に根負けして睡眠薬を渡しちゃう。 夢の世界のオペラの初演の日、オーケストラピットにタキシードを着たキッズが車のベル鳴らしてたり、ダチが指揮者に従ってバイクのエンジンふかしてたりして演奏がめちゃくちゃになるシーン好き。 夢中になっていた夢の世界がガタガタになっていき様々な時代からいろんな世界で命を狙われるようになる。 さすがのクロードも「もう眠りたくない!」と思うんだけど、睡眠薬をのんだせいで起きていられずすぐに眠ってしまう。 眠りにつくたび逃げ続け、「原始時代は平和だっただろうなあ〜」で原始時代にタイムスリップしてたら ここにも「なんたる時代だ!」となんたる時代だおじさんが出てきて「この時代も!?!!」になるシーン、あまりにもギャグすぎる。コロコロコミック連載ですか? 「誰か助けてくれ〜〜〜!!」って叫んだらダチ3人が車で迎えにきてくれて、時代を遡るぞ! っめノアの方舟←→先史時代と書かれた看板を車で逆走していき、 ローマ時代、17世紀、18世紀、フランス革命、とどんどん時代を遡り、ギロチン台、決闘シーンと遡りまくって、現代に戻ってくる。 目覚めて現実に戻ってきたクロードはオペラ座からの手紙を受け取るも、「いや~自分のオペラは箸にも棒にもかかりませんよ、パリ行きの列車はもうないし」みたいに捨て鉢になってるところで、 修理工の親方が、自分はブルーカラーだからクロードに馬鹿にされてる! 娘はやらんぞ! とか言ってたのに、「車で行けばいい!」とか言ってくれるの愛かよ〜♡ オペラ座での悶着のあと(クロードのオ...

風になるにはまだ

 創元SF短編賞を受賞した表題作「風になるにはまだ」を含んだ連作短編集。 仮想現実で情報人格として生きる人々と、それと関わる現実の人々。 テーマだけを見ると、あらゆるSF作品が浮かぶが、そういうのとはまたちょっと違いますね。 「風になるにはまだ」 情報人格として生きる楢山さんに、身体を貸す「あたし」の話。 「手の中に花なんて」 情報人格となった祖母に会いに行く中学生の優花。 優花は家族となじめず祖母だけが救いだったが、認知症状が出て、祖母は情報人格になる。その祖母に仮の体で仮想世界に入って会いにゆく。 すわ、現代の姥捨て山か、と警戒しながら読んだけど、ミナトという不思議な人間と出会って、優花の居場所がふえて良かった~。 ここで「風になるにはまだ」の楢山さんとすれ違うの好き。 「限りある夜だとしても」 余命宣告され、延命措置と情報化で悩む男性。 この本の作者って、本当に人間に対する眼差しが優しいな……他者が他者であるという認識をもって、侵襲しないよう一歩引いて付き合う、ということの難しさを考えましたが、話自体はすごく軽やかでいいなあ。 冒頭で「風になるにはまだ」のあたしがいるの好き。 「その自由な瞳で」 トオルと映。 瞳だけであらゆることができたトオルが情報人格になるのについて行くような形で情報人格になる映。 ”移住”について考えてしまった。でも現実でうまく生きられなくて、向こうでならうまくできるなら、それでいいんだよな~とも思う。 これには「手の中に花なんて」のミナトさんがいますね。 「本当は空に住むことさえ」 建築家のはなし。急に建築のはなしで饒舌になった。建築関係の本が参考資料に入っていたので、真面目だな〜と思いました。 プロトタイプ情報人格の並木翼が出てくる。いいね。 「君の名残の訪れを」 並木翼の話ですね。情報人格の始まりのころの話。良かった。 著者は若そうだな〜と感じました。みんなまっすぐなお話たちだった。 キムチョヨプの「館内紛失」を思い出していたよ。

ザ・ザ・コルダとフェニキア計画

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 ウェスアンダーソン! 終わりそうだったからなんとかみたよ。 本当はブラックバッグを見たかったんですけど、朝の9時とかからしかやってなくて、「さすがに無理じゃ!!!!」と思って、こっちに駆け込みました。ブラックバッグも見せてよ~! オープニングムービーがめちゃくちゃオシャレですね。もうこれだけで見る価値ありました。床のタイルと同系色の縁取りの文字が出てくるだけでもう嬉しい。もうウェスアンダーソンすぎる。 ベニチオデルトロの胴体が分厚くて良すぎる。殺しても死なない男のザ・ザ・コルダ氏、良です。 この作品、ザ・ザ・コルダの臨死体験が何度も訪れるけど、一番好きな臨死体験は、鹿?をかついだザ・ザ・コルダが、三人の女性(妻?)の元にのしのしと歩いてきて、鹿にナイフを突き立てると、金貨が中からワワーーってあふれてくるところです。 のしのしと歩いているだけで絵になる謎の男、ベニチオデルトロ……。 リズアーメッドよかった。あとなんか……虫オタクと娘も良かったです。 ザ・ザ・コルダ、最終的にハイパーインフレーションのグレシャムみたいになったので良かった。 いや、ザ・ザ・コルダは何も言わずにレストランで料理して皿洗いしてるわけですが、脳内でずっとグレシャムが「人生をかけた計画が失敗するなんて別に普通のことではないか」「今度はマイナスからカネが稼げるんだ、おもしろくなってきたぞ~」って言っててすごかった(わたしの脳の問題なので大丈夫です) そしてエンドロールがオシャレすぎて「このエンディングがオシャレ大賞2025」を受賞しました。わたしのなかで。 そして書きながら思い出したけど、めちゃくちゃちょっとだけウィレムデフォー出てたな……。ウィレムデフォーのこの使い方、ノースマンを思い出しました。 東心斎橋のFilmbarWunderにゆき、「或る夜の出来事」のカクテルを作ってもらった。 いいすよね〜或る夜の出来事。大好きなロマンス映画です。 このbar、映画カクテル作ってくれるのもいいんだけど、もれなくぜんぶおいしくてすごすぎる。 なんか途中で「すっきりしててロングで炭酸のお酒飲みたいです」みたいな雑なオーダーしたのにめちゃくちゃおいしいお酒出てきて最高だった。 しかし、このオーダーの方法をやると、めちゃくちゃおいしくても2度とおなじの飲めないのだった……(バカ〜!!)

周遊する蒸気船

ジョンフォードの「周遊する蒸気船」見たんだけど、本当にすごすぎる。 エピソード圧縮陳列みたいな感じでポンポンと惜しげもなくおもしろエピソードが放り込まれてくる。 あのさあ、フォードくん! これエピソード解体していって、一個一個で映画撮っても全然いけるレベルじゃない! なんで全部混ぜてんの! 人を殺しました→死刑!の流れとかなめらかすぎる。 運び手さんから聞いて「うそやろ」と思ってた新生モーセ(インチキ預言者)を船から投げ縄で捕まえるシーン良すぎた。 投げ縄で捕まえても、マンガみたいにしゅーんと船の上に乗ってくれるわけじゃないので、結構しばらくの間新生モーセが川の中に浸されてそれをみんなで頑張って引き上げるシーンがすごい! 船に乗せた後モーセめちゃくちゃ労働させられてるし最高。 「燃料を乗せる時間がないぞ!」というセリフで示されていた通り、船には十分な燃料がないので船を破壊し全てを燃やしながら進むの、もう、後先とかないんだ、この映画には……。 デューク(息子)を救うの一心でめちゃくちゃやってんだ……すごい話。 炉にラム酒ぶち込んでスパートをかけるラスト、炉も煙突もヤバげになっててすごい。いや、本当に船とかもうどうでも良くないとこんなことはできない。 バトンルージュに無事到着した一行が、知事にデュークの死刑をやめさせるため一生懸命説明してるけどお祝いのラッパの音がうるさすぎて、声が何も届いてないシーン好き。 デュークの死刑は直前でとりやめになりました。いい話〜〜〜!!!!  いやしかしマジで何だったの????? という気持ちもある。不思議な作品。

ワン・バトル・アフター・アナザー

レオナルド・ディカプリオ主演のやつね。見てきました。めちゃくちゃおもしろかった。 3時間近い映画、絶対配信に入っても見られないよ~~~と思って映画館行きました。 だってわたし、まだ、レヴェナント:蘇りし者も、ワンスアポンアタイムインハリウッドも見てませんからね…… レオナルド・ディカプリオ主演の映画ってなんか全体的に3時間近くありません? この映画はね、結構こう、短かったです、体感。ずっとわくわくしながら見ていられました。 ・序盤の銀行強盗のあとの全然かっこよくないカーチェイス、めちゃくちゃよかった。車の動きもぐちゃっとしていて、カメラも揺れるの臨場感あってめちゃくちゃいいね~! ・後半のアップダウンのある一本道でのカーチェイスシーンもめちゃくちゃ格好いいんですね。車の下部、地面すれすれの視点で撮られていると思ったら、視点が高く上がって2台の車を見下ろして見せてくれたりして、ものすごくいいな~。緩急効いている。 ・レオナルド・ディカプリオ。最近全然かっこよくない役をやっていてとても良い。 アル中のヤク中の元革命戦士、という役どころいいね。 合い言葉思い出せなくてキレてるのとか、ベニチオデルトロに「4で飛び降りろ! 4! 4だぞ!」って言われても飛び降りなくて無理矢理落とされてるのとかよかった。 映画映えするようなかっこよさじゃないんだけど、娘のために全力で、娘と再会したとき「だれよ!」と言われて「パパだよ」と応じて抱きしめるの、良かった。 ・ショーンペン。とってもキモくて怖い。え~~~~ん。何にもわからない。ショーンペンじゃないと出来ない感じもあり、すげ~とも思います。 おちんぽを自分でしごくショーンペンの図、頭がバグりそう。あとお尻に銃を入れられたかもしれない(わかんない) ・忍者アカデミー(はじめにウィラがやってるのは空手の型だと思う)のセンセイ・ベニチオデルトロがめ~~~~ちゃくちゃいいですね。 下が道着で上ジャージなの、空手部あるあるファッションだったので笑ってしまった。 「巻き込んですまない」と謝罪するボブに「うぬぼれるな、ずっと戦ってきた」と、ボブよりもずっと手慣れた様子で他の人に指示を出す姿がよかったです。 ボブと別れて階段を降りるとき、ボブに礼を言われて腕を上げ、扉を閉めた後絨毯がくるくる~~~って転がって敷かれるシーン良かった。 そのあとも助けてく...

テレビの中に入りたい

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郊外の街、閉鎖的な土地の学校で、オーウェンとマディは出会う。 マディはピンクオペークというテレビの公式ガイドブックを見ていて、オーウェンは興味をそそられるが、オーウェンの家では寝る時間が決まっていて土曜日の夜に放映しているピンクオペークを見られそうにない。マディは「うちに来て見ればいい」と言って、オーウェンは親に嘘をついて家を抜け出し、そこからマディとみるテレビの世界にのめり込んでいく。 共犯者のように、ピンクオペークを通じてマディとオーウェンは絆は深まっていくが、街を出るというマディにオーウェンはついて行けず、マディは一人で失踪する。 数年経って戻ってきたマディはここはピンクオペークのミスターメランコリーにとらわれた夢の世界だと告げる(あらすじ) ここじゃないどこかに行きたい、でもどこに行くのも怖い、という、アイデンティティ確立の際に抱く悩みをずっと抱えて、映画でありがちな場面転換で数年経ってしまう、というのも、脚本に織り込まれていて、すごく良いなと思いました。 「ピンクオペークは今は配信でも見られるが、あのころ熱狂したようなものではなく薄っぺらい」というオーウェンの語りもすき。 オーウェンは時折スクリーンの前の私たちに向かって語りかけてくれるんですが、じゃあ、彼が自分がいるのはスクリーンのなかだと認められるかは別問題である。 どこにも行けないままで終わるのがとても切なくて、胸に響きました。わたしはどこかに行けたんでしょうか? 行けたつもりになって満足してしまっているだけなのかも?

誰かがあなたを愛してる

1987年の香港映画「誰かがあなたを愛してる」、ロマンス映画の金字塔ですか!?!!  良すぎ良すぎ良すぎです。ヒロインのジェニファーがほんまにかわいい。めちゃくちゃかわいい。 演劇の勉強のため、遠縁の親戚・シュンタオを頼って渡米すると、シュンタオはギャンブル狂いのチャランポランな男で、渡米する前からの恋人は別に彼女がいたのであった……!(あらすじ) ジェニファーとシュンタオの寄せては返す淡い恋心とすれ違いが、汚ねぇニューヨークの街を背景に繰り広げられすごくいい。 ジェニファーの祖父からもらった時計の話をして、良いベルトがあったけど高くて買えないの話のあとから「これは『賢者の贈り物』フラグ」と思ってたけど、本当に賢者の贈り物になったのでオタクは大喜び。 それで、想いを伝え合わずに離れ離れになるのもいいすね。 あと唐突なケンカシーンが挿入されて(多分)圧勝してるのもおもしろかった。 ロマンス映画に流れるように挿入される勝ち戦何? でも主演が「男たちの挽歌」のチョウ・ユンファだから、必要なのかも。 いつかお金を貯めたらレストランを開く、店の名前はサンパン(小舟)だ、という夢物語を語っていたシーンから、 おそらく数年経ってその海に行くと、サンパンというお店があってオーナーは背広を着た懐かしい彼で……というこのラスト大好き。美しい